2014年7月5日土曜日

代官山 蔦屋書店

先日立ち寄った蔦屋書店東松山店やいずれまとめようと思いますが佐賀県の武雄市図書館・歴史資料館は代官山蔦屋書店が源流にあっていずれ行きたいなと思っていたら、午前中の所用が終わったところで少し足を伸ばせば見られるなという事で行って見て来ました。



1.代官山蔦屋書店(代官山T-Site)の概要
東急東横線代官山駅から徒歩10分かからない所ですが、さすが代官山、周辺はファッションの店やデンマーク大使館などあって、洒落た街という印象。
代官山蔦屋書店はTロゴを建物の随所に反映させた2階建て3棟の建物から成ります。2階フロアは連絡通路で、1階フロアはその下に設けられた歩道で行き来する形式。

1Fは主に書店が占めていますが、一部スペースはファミリマート、スターバックスと文具等の書籍・雑誌以外の売り場が入っています。2FはDVD/Blu ray、音楽CDの販売・レンタルとラウンジが1棟ずつ占める形態。
総面積は5000平方m2を上回るようですが、書籍・雑誌に絞るとこの半分以下。書籍数ではなく品揃え重視(14万冊という数字を載せているWebメディアもあります)という事なのでしょう。

2.武雄市図書館の本棚の謎
武雄市図書館を訪問した際に大変問題を感じたのは下から2段目の棚が他の棚よりも出ていて、下2段に入った本のタイトルは少しかがまないと読み取れないという図書館/書店としては大変使い勝手の悪いデザインのものが多く見られた事。これ、代官山にも入っていたので源流はこれかと納得。
ロ型配置の本棚レイアウトもこの代官山で実践されている所ですが、ともかくゴミゴミした印象。これは文庫、単行本関係なくジャンル別の配架が為されていて本の高さが揃っていない事も影響しています。(背表紙が読み取りにくい事が一番問題)
また手の届かない高さにも棚が設けられていて、書籍や雑誌が陳列されているのは、この書店のコンセプトがインテリアとしての書籍・雑誌という事を裏付けているかと思います。なお武雄市は代官山と同じコンセプトを取っていますが、東松山店は高い棚はほとんど設置してないのが印象的です。(在庫冊数も東松山店の方が多いと思われる)

3.本の探しやすさとは
規則性が大事です。優れた書店、図書館は凝ったレイアウトは取っていません。
広いスペースに本棚を整然と並べて単行本は分類で、文庫は会社文庫別で並べている所が普通です。文庫で全社絶版されていないものが全てありますという規模の在庫なら意味もあるかもしれませんが、これは200万冊級の在庫を持つ超大規模書店でも無理です。
そんなこんなで今回、店内を見て回っても本を買いたいという方向にギヤが入る事はありませんでした。東松山店はまだ見やすく探していた本もあったので実際に買ったりしているんですが。。。

4.書店での雑誌のあり方
代官山のアプローチは、このような既存書店の機能性重視に対して居心地の良さという価値観に基づいているように見えます。
居心地の良い場所を本を使って演出する。そういう場所が本を買う場所として適当なのかというと本、特に雑誌が大事にされていない様も目についてしまって賛成は出来ないですね。図書館で貸出し用の雑誌が傷むのは仕方ない面はあると思うのですよ。利用者の問題でもありますから。

書店はそうではありません。購入する人がいる訳なので丁寧な扱いは来店者にも求められます。また書店も棚に入れるにしても表紙が傷まないような置き方をする事は義務じゃないでしょうか。
代官山蔦屋書店の場合、置き方はちゃんとされていると思いますが、雑誌の一部が販売用とは言えない状態にまで傷んでいるのは実に問題だと思います。

5.ラウンジ
中央の棟2Fフロアはカウンターやソファーなどが置かれたレストラン・バーラウンジになっています。壁際は何かの全集や美術品等が陳列されていますが、まあ、書店ではなくレストランだとしか見えないスペースで、書店スペースとは階段や連絡通路で隔てられているので問題はないと思った次第。
ただ値段は高いですね。コーヒーやティーでも1,000円近い値付けになっていますが、代官山という場所代だと思えば許容範囲でしょう。
「PC使いたいのですが」とカウンターに案内してもらったらさっとACコンセントが出てきたのは感心しました。こういう場があるならスターバックスいらないんじゃないでしょうか。まあ、値段が倍近く違っているので、そんな事になったら怒るヘビーユーザーは多そうですが。

6.最後に
私自身は書店には探しやすさを期待しています。その上で、どのような本を揃えているのか、そして最後に在庫数というのが評価ポイントだと信じている人間です。
そういう視点で見ると代官山蔦屋書店はちょっと一休みしながらPCを使うには良いスペースだと思うのですが、それ以上の価値は見いだせません。
本を探すという行為は本気でやると右から左へとどんどん棚を見ていくものです。建物が分割されているとそこで思考の流れが断ち切られるというのもちょっと頂けない。
また近くを通ったら一休みするかも知れませんが、本を探す事はないでしょう。
本気で本を探すならジュンク堂や紀伊國屋書店にいかないと良き出会いは得られないと思います。あの本棚の状態で選び抜いてきちんと棚を入れ替えながら維持していますと言われても信じられません。
洒落たレストランバーとスターバックスがある場所としてお勧めです。

追記
検索システム、iPadで画面デザインは武雄市図書館と共通でした。武雄市図書館の蔵書管理、少なくともWeb回りとiPadベースのシステムは代官山由来という事で良さそうです。