2014年7月7日月曜日

武雄市図書館にみる公立図書館の行方

武雄市図書館の改装、指定管理者制度の1社指定契約の問題は自治体の公共政策問題、公立図書館問題、プライバシー保護問題、歴史資料館の実質的な消滅など多くの問題を巻き起こしながら2013年4月に再オープンして1年以上経過しています。

筆者は2013年12月、2014年5月に武雄市図書館を訪問して本棚のレイアウトや販売用書籍の配置など実際に見てきた際のメモを交えて紹介してみたいと思います。

2014年12月に3回目訪問(歴史資料館の武雄鍋島家洋学資料の国の重文指定記念企画展示目当てでした)した際の情報アップデートを別ページにまとめましたので、本レポートをお読みになった後でお読み下さい。


1. 武雄市図書館・歴史博物館とは
武雄市内にあるショッピングモールの隣に設置された面積3803.12平方メートルの公立図書館+歴史資料館です。
2000年に新築された建物を使っていて、改装前の写真を見ると奇を衒わない使い勝手の良さそうなデザインである事が分かります。(参考:”図書館・歴史資料館がオープン!” #takeolibrary

2012年にCCCを指定管理者とした図書館に改装される事が決まり、一時休館して改装工事を実施の上で2013年4月に再オープンしました。
改装後の館内写真は許可者のみ撮影可とされていて市に対して申し込みが必要ですが、武雄市図書館のWebサイトでGoogleストリートビューに似た館内写真閲覧ページが提供されていてある程度館内の状況は確認できます。(参考:武雄市図書館Webサイト


2. 武雄市図書館での指定管理者制度導入の問題点
  • 指定管理者制度でCCCと契約を結んだが、公募によらず1社指定契約していて、公共の施策として必要な機会の公平性や条件に対してもっとも優れた企業と契約するという当たり前の努力が為されていない。
  • 指定管理者制度で予算が減ったとされるが、実際には大幅予算増の結果となっている。また武雄市長はなおCCCに対して契約期間の長期化、予算増を述べた事もあり、当初の予算削減のための指定管理者導入すら忘れられている状況になっている。
    (指定管理者導入以前の予算は1億2千万円で歴史資料館予算4千万円を含む。指定管理者導入後はCCCに対して1億1千万円で歴史資料館予算は従前通りとなっており実質3千万円増となっている。出典=神奈川新聞「佐賀・武雄市図書館に行ってみた(上)「公共」置き去り?、カフェ併設来館者3倍に」
  • Tポイントカードを図書館貸出カードとして使用すると発表。当初、個人情報の扱いについて不明確でTポイントカード以外の図書館カードが提供されるのかも不明だった。(この点は多くの批判、指摘から提供される事になり利用者の選択肢は一応確保された)
    Tポイントカードはどのような情報がCCC及び参加企業間で共有される事になるのか分からず、当初は貸出情報も共有されているのではないかという疑いも持たれた。(貸出図書の情報は持たせていないとされていますが、その事自体を誰も監査していないので、未確認と言わざるを得ない)
  • 指定管理者制度導入時に一時閉館して改装工事を実施。図書館・歴史資料館は10年ほど前に新築されており本棚も特に買い替える必要はなかったはずですが、レイアウトの都合上の為か買い替えられた。また閉架書庫は廃止されたが蔵書数は大きく変わっておらず、その分を2m以上の高所書架を導入して対応している。こういったデザインは代官山蔦屋書店のデザインが採用されている。
    また子供図書コーナーはスターバックスに、歴史資料館のスペースはレンタルコーナーとなった。(子供図書コーナーは1F奥に移動。歴史資料館とされる部屋はあるが常設展示はなく企画展示のみになっている。筆者が5月に行った際はJR特急デザインのパネル展示が行われていた)
  • 雑誌は従来バックナンバーを置いていたが蔦屋書店の在庫600タイトルを自由に読む事が出来るとされ、図書館としての購入は廃止された。なお自由に読む事が出来る販売用の雑誌は通常委託販売で返本可能であり、出版物の流通制度へのフリーライドの側面がある。
  • 指定管理者制度導入時に、図書館のDVD映像資料や蔵書が大量廃棄処分された。図書館のDVDは貸与権処理されており通常のDVDよりも高い。CCCのレンタル事業との競合の為に行われたのではないかという疑いが拭いきれない。

3.武雄市図書館に行ってみて
(1)書店機能
  • 「気に入ったら買える」という書店販売本は1Fのマガジンストリート沿いの本棚と出入口付近の文庫本コーナー等に限られていて少ない。
    販売用書棚は単行本32.5棚、文庫36棚、正方形平台20台(玄関前の新刊書、雑誌)、子供向け長方形平台1台。書棚に限って在庫冊数を推定すると1棚300冊として20,550冊。多く見ても25,000冊程度と推定。
    なお武雄市長は書店在庫数について図書館面積の0.8割、1万冊と言及(新文化3035号)されている。この数字が正しい場合、本の集積密度は思ったより低い。
  • 図書館の蔵書数は20万冊程度とされています。販売用書籍の数から見て当初売り文句の一つだった「気に入ったら買える」というのは無理があります。また一緒の場所に置かれているというだけで貸出書籍と販売書籍を同じ本棚に統合する所まではやっていませんので「この本、借りるより買いたい」と思ったら、販売用書籍のある本棚を見に行くか壁に設置されたiPadで検索して在庫有無と配架場所を各にする必要があります。
  • マガジンストリートの雑誌は、2013年12月末にあったものが、2014年5月にはなくなっていたものがあり継続性に疑問がある。また閲覧に供しているのはあくまでも書店在庫なので、売れ筋出なければ外すといった事が為されている事がよく分かる。
  • JapanSGの通販商品も展示・販売されているが、市が別の企業と組んで行っている事業の商品がこちらに置かれる論理はよく分からないし、CCCとどのような取り決めになっているのかと疑問を感じた。
(2)本棚の配置・デザインから見た問題点
  • 本棚は1Fマガジンストリート付近は口型配置。これは代官山蔦屋書店でも行われているレイアウト。この部分で使われている本棚も代官山と同じ物が使われているようで、下から3段目の棚が他よりも手前に出ているのが特徴。この為に下2段の背表紙の一部が隠れてしまっており屈まないと読み取れなくなっている。通路が狭く下がろうとすると本棚にぶつかる為、屈むしか選択肢がなく、本を探す際の障害になっている。
  • 一部の本棚は2m以上の高さの棚に入れられており、図書館員にお願いして取ってもらわないと中を見られない。また高い場所に入れられた本の背表紙も見通し線距離の問題で読み取りにくく、実質的に閉架と同じ。光が当たる分、本への傷みは進みやすく、また背表紙を見て本の当たりを付ける事が出来ず、内容を自分で手に取ってみる事も出来ない。
  • ロ型配置の周囲で図書館員が貸出書籍を元の場所に戻す作業をしている所に行き会った事がありますが、内側に本を戻すときは外側に台車を置いたまま、本を手に持って内側に入っており作業効率が悪く大変そうに見えた。
  • 閉架書庫に入っている場合は、端末で当たりをつけてまとめて取ってきてもらえる方が気楽。このような開架だと、図書館員にお願いして梯子や高所階段を使って取って頂く事=危険な作業のお願いになってしまっていて遠慮しがちになるし、そもそも図書館員が少なく業務でカウンターにおられる方も少ないため、極めてハードルが高い。
  • 図書館蔵書は1F、2Fに広く存在している。本棚は壁際+列方式だが、全面開架に変更された影響か雑然と入れられるだけ本棚を入れたように見えてしまう。
    またその為に、本棚を右から左へと見て探して行くやり方が行いにくく、図書館利用者側に慣れが求められる構図になっている。
  • この前後に長崎市立図書館、伊万里市民図書館も訪問したが本棚配置は整然とした列構成となっていた。このような本棚配置は前後左右を移動する事で本の背表紙を見て内容確認する事が出来て使い勝手が良い。
  • 武雄市図書館の本棚配置・デザインは代官山蔦屋書店の直系。そして代官山蔦屋書店のデザインコンセプトは本の背表紙を生かした美麗デザインにある。このあたりは世界の美しい図書館の写真集が影響していると思われるが、書店/図書館の本の背表紙検索性は考慮されているとは思えない。
(3)歴史資料館と映像/音楽レンタル
  • 歴史資料館だったスペースは映像/音楽レンタルスペースになっているが2回とも利用者がいたのは見た事がなく、歴史資料館を押しのけて行わなければならないような事業なのか疑問。ここにスターバックスを入れていた方がまだ良かったのではないか。(図書館スペースへの圧迫を緩和出来る)
  • 今、常設の歴史資料館スペースはなく、蘭学関係については何も見られない事がある。例えば私が行った時は「棟方志功展」(2013年12月)、「水戸岡鋭治のJR九州鉄道デザイン展」(2014年5月)だった。実際に蘭学関係の企画展示もされている事がありますが常設展示ではないのが大変残念です。
(4)図書館とスターバックス
  • 2013年末に行った際はスターバックスとその周辺の座席が閑散としているのに2階の座席は混んでいたのがかなり不思議に感じられた。そして2014年7月現在、スターバックス周辺座席の高校生の勉強利用は明確に禁じられているらしい。
  • 代官山蔦屋書店の場合、スターバックス周辺の座席について規制があるどうかは未確認。2号棟2階のラウンジはフロア全てなので単に座っていると注文を聞かれるはず。蔦屋書店東松山店はタリーズが出店しているが本棚で壁を作っていて明確に店舗/書店エリアを区分している。
    いずれにせよ書店という営業店舗での話なのでルールが明確であれば問題はないと思う。
  • 武雄市図書館のスターバックスは本来住民の税金で運営されている施設内にも関わらず、明確なルールの提示も1年以上為されないまま、スターバックスでコーヒーを買わないと使ってはならない座席を作り出している。スターバックスが図書館内にあっても良いとは思うのですが、座席まで専用、優先権を与えるのならそのスペースがどこまで及ぶか明確に分かった方が良いですし、であれば本棚か壁で仕切る事は考えるべきではないでしょうか。東松山店で出来ているのだから、武雄店でも出来ると思うのですが。
(5)図書館の新刊図書整備状況
  • 5月訪問時に新刊蔵書コーナーの4月分で棚にあったもの数えて見ましたが130冊程度。貸し出しがあるとしてこの3倍としても390冊程度。年間4680冊と推定されるのですが、単価1,500円として年間702万円と推定。
    (2014年12月追記:平成25年3月開催の(佐賀)県内公共図書館レファレンス研究会でCCCの方が講演していてそこでは資料費1300万円と言及されてます。倍ぐらい違いますが購入書籍の単価が倍の3,000円とか購入書籍数が倍もあるとは考えにくく不思議です)
  • 2012年の新刊書籍タイトル数は78,349点(日本著者販促センター「書籍売上と新刊点数の推移 2000年~2012年 寄稿:冬狐洞隆也氏」)という数字があります。2013年も極端な変動はしていないと思われますので、この数字と比較すると5.9%程度を収集していると推定されます。
  • 日本図書館協会の2013年度調査統計の市区立図書館回答数2,578館、購入図書12,052千冊から1館あたり平均4675冊となるので推定冊数自体はほぼ平均となります。
(6)大きな比率を占めると思われる中・高校生や子供たちといった利用者への考え方
  • 高校生の勉強利用が多いが(12月大晦日の夜も多かった)、何故か1Fスターバックス周囲の広い閲覧席は使われておらず2階のテラス席と本棚も置かれている部屋1室(学習室)が割り当てられている。学習室と言いながら本も置かれていて、学習中の学生さんたちの間を縫って本を探しには入りにくい雰囲気があるのですが、そもそも特定の利用者をこの周辺に固めた悪影響だと感じた。(2014年7月現在、1Fスターバックス周辺の座席の中・高校生の学習利用禁止の掲示が出ているとの事)
  • 子供向けのコーナーは図書館員カウンターから目に届きにくい一番奥に設けられている。(改装前は図書館員の目が届く場所に置かれていた)人影もまばらで、子供が手の届かない高さの本棚も当たり前に使われていて力が入っていないように感じられた。
(7)来館者数
  • 駐車場は90台程度の乗用車が止められる。平均2名/台、1時間滞在で30%程度の稼働だった場合、12時間で720名/日、1年で259,200名程度の集客寄与となる。
  • 再オープンから1年1ヶ月で来館100万人達成とされているので、大雑把ですが2,500人/日程度の来館があった事になる。
  • 上記予想から見ると1800人前後の人は徒歩や自転車、バイクで来た計算になってしまうのですが、車社会の場所でこの統計、どの程度妥当性があるのかなとは思ってしまう所です。
    (隣のゆめタウン武雄の駐車場に止めている人が大変多いという可能性がないとは言いませんが、もしも100台規模で用途外駐車があれば人の流れで分かるのではないか。)
  • なお書店の集客力で数字が分かっているものとしては、ジュンク堂書店那覇店(店舗面積1500坪(5,000m2)、120万冊在庫)の事例があります。こちらはオープニング3日間で4万人、売上は1,200万円〜1,400万円との事です。
    図書館は本来地元住民利用が主ですし、おそらく期待して来られる市外の方にとっては1万冊規模の書店ではこのような集客は無理な数字だと思います。

4.武雄市図書館の位置付け
  • CCCにとっては図書館指定管理者契約第1号。建物は図書館+歴史資料館として作られたものを転用した為、彼らが入れようとした営利施設はなんとか収容しただけであり、最適化は出来てないと思われる。CCCとしての図書館指定管理者事業は建設段階から関わる図書館で本腰を入れて勝負となるのではないか。
  • 武雄市政においては広告塔の役割が明確。さほど人が入れると思えない図書館内でW杯のパブリックビューイングまでされている。武雄市は企業と組んで他の自治体から運営費を取って地元商品の拡販の為のWeb通販事業やシンガポールに出先事務所を置いたりされており、マスメディアに対する露出による信用創造に大変力を入れているように見えます。

5.「図書館は無料の貸本屋ではない」
(1)具現化した武雄市図書館が受け入れられる背景
そもそも図書館は無料の貸本屋ではありませんので間違いです。ほとんど廃れてますが、貸本屋という業種は実際にあったし、それは図書館とは全く立ち位置が異なっている存在です。これは主に権利者側が消費者を奪っているとして図書館批判する際に使う言葉ですが、自治体首長が自らの自治体の事業に対してこの言葉を使う場合、どのような意図が含まれるのかよく考える必要があります。

一つは景気が今ひとつな中で国や自治体の公共事業がぬるま湯に見える住民が多くなっており、税金で無料の住民サービスを提供=使う時間があるのは高齢者だけという思いがあるからでしょう。実際住民税額を年額計算したみると結構な金額を負担しているにも関わらず自分が使わないサービスを支えるのは嫌だという発想が出てくるのはおかしくはないと思います。ただ、そういった勤労世代の嫌公共感につけ込んで公共を否定する自治体首長が出てくるのは正しい事でしょうか?
地方自治での公共とは民間競争原理に任せると1社独占になってしまうような自治体の住民サービスや水道事業と民間競争原理では採算が成り立たないが必ず必要な社会インフラを提供する役割があります。
公共図書案の歴史的経緯を考えると、書籍が個人で買えるような金額ではなかった頃に住民に対して知的情報へのアクセス手段を提供する意義があったと言えます。これは1990年代の出版業界の好景気を前に文庫本の普及等で書籍の値段が下がった事でそういった意義が薄れたかのように見えましたが、人口減と家族経営規模の書店の高齢化廃業が始まり、新刊書店ゼロ自治体が増える減少が現れています。

(2)住民が書籍にアクセスする手段の確保のあり方
これに対抗する方法は大きく分けて2つあります。
一つは図書館の設置・拡充です。これは図書館数が増えているという所からこの方法を取る自治体は少なからずある事が分かります。ただ予算が減るのに館数が増えている所から、予算難は明らかでその対応として指定管理者制度でのコストカット、民間企業による図書館員の賃金抑制という問題を引き起こしていると言えます。
もう一つは書店の誘致です。北海道の留萌市は新刊書点ゼロを回避する為、三省堂書店を誘致して留萌ブックセンターを開業しました。従来の店員数を確保すると採算割れになるため市民ボランティアが手伝う事でコスト抑制を図りつつ町の書店として取り組みを進められています。

(3)指定管理者制度で企業誘致の妥当性
武雄市の方向性は前者の指定管理者制度だった訳ですが、必ずしも予算は減らず、従来の図書館・歴史資料館の機能が大きく変えられて図書館+企画展示+書店+映像/音楽レンタル+コーヒー店という例を見ない方向に舵を切っている訳ですが、このCCCとの取り組みに事業の継続持続性はあるのかなという疑問があります。
というのも指定管理者は本来自治体の業務代行に過ぎない訳ですが、武雄市図書館では自主事業のウェイトが大変高く、もしCCCが何らかの事情で契約を終了させて撤収すると他の企業がそのまま継承して事業継続という事は出来ません。
図書館の蔵書管理システムもTポイントカードと連携し、館内検索端末や公式Webサイトも代官山蔦屋書店と類似した作りになっていて、おそらくは同等もしくは一部変更したバージョンが使われていると思われます。

このような指定管理者が果たして妥当でしょうか。
代官山蔦屋書店を誘致するのであれば別途土地を用意してそこに進出してもらった方が蔦屋書店東松山店のようなその用途に最適なデザインの複合書店を持つ事が出来たのではないでしょうか。
※指定管理者制度については別途エントリーを立てているので併せてお読み下さい。


6.最後に
全国の公立図書館は3,000を越えていて図書館予算は減り続けているのに館数は増えるという現象が続いています。その一方で人口減と家族経営の書店経営者の高齢化で書店廃業は増加。ある程度商圏人口が見込める地域には1000平方メートルを越える大型店舗が進出する影響があり、実は書店面積は減っていないというのが図書館と書店の状況となっています。

武雄市図書館の改装・指定管理者制度の導入は図書館の運営を民間に代行してもらいコストを引き下げる事だと見られがちですが、武雄市図書館に関してはスターバックスがある図書館にする事が狙いだったのではないかと考えると腑に落ちます。但しこのやり方では将来、CCCの戦略に変更があり図書館指定管理者事業から撤退された場合、再改装の為の長期休館、蔵書管理システムの対処など膨大なコストが発生する事が予想されます。

そもそも指定管理者制度は通常5年程度で次回は再度公募選考するのが筋の制度です。別の事業者に変更出来ないような形で運用すべきではないと思うのですが、このあたりは国から見たら自治体自身の選択だからとやかく言わない(失敗したら法改正考えるかも知れないが)という所なのでしょう。

きちんと蔦屋書店、それも代官山などのデザインを修正している東松山店のような形態の店舗として進出してもらった方が10年、20年の安定的な書店アクセスの確保と優れた図書館・歴史資料館の二本立てで市民サービスと他の地域に対する競争力になったのではないでしょうか。

追記:武雄市図書館を見学される際は、お隣の市になる佐賀県伊万里市の伊万里市民図書館と佐賀県佐賀市の紀伊国屋書店佐賀店も見ておく事を強く推奨します。
伊万里市民図書館は規模としては武雄市図書館と似ていますが、本の背表紙が見やすく、また棚の内容もフレッシュでこんな本を読んでみませんか?という提案として特集コーナーを設けられているなど、読書の為の図書館というコンセプトが徹底されていて武雄市図書館と対称的な存在だと言えます。
また紀伊国屋書店佐賀店(面積800坪)は佐賀市内のショッピングモール「ゆめタウン佐賀」に出店されているのですが、県内最大800坪の面積を誇る大規模書店であり、新刊書籍を見て回って買うという行動を書店としてサポートするにはどのような陳列、規模が必要か、また県内で本を見て買う選択肢を最大化したい場合にどこへ行くだろうかという観点で必見だと思います。